主要判例要旨
- (1) 最高裁平成19年7月13日判決
- 貸金業者は、貸金業法43条1項のみなし弁済が適用されない場合、過払い金は不当利得として借主に返還すべきものと十分認識しているというべきである。
みなし弁済の適用が認められない場合には、貸金業者がみなし弁済の適用があるとの認識を有するにいたったことにつき、やむを得ないといえる特段の事情があるときでない限り、民法704条の悪意の受益者と推認される。
- (2) 最高裁平成20年1月18日判決
- 第1の基本契約に基づく取引に過払い金が発生した後、第2の基本契約が締結され、その基本契約での借入金が発生した場合、特段の事情がない限り、第1の基本契約で発生した過払い金は、第2の基本契約の借入金には充当されない。
第1の基本契約で発生した過払い金を新たな借入金に充当する旨の合意の存在などがあれば特段の事情がある。
第1の基本契約に基づく債務が完済後もこれが終了せず、第1の基本契約による取引と第2に基本契約による取引が事実上一個の連続した貸付取引であると評価できる場合には、前記過払い金充当合意が存在する。
- (3) 最高裁平成21年7月10日判決
- 平成18年1月13日最高裁判決の言渡し日以前の期限の利益喪失特約下の支払については、利息制限法の制限超過部分を受領したことのみを理由として当該貸金業者を悪意の受益者であると推定することはできない。
- (4) 最高裁平成21年1月22日判決・同3月3日判決・同3月6日判決
- 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が、利息制限法所定の制限を超える利息の返済により発生した過払い金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含む場合には、上記取引により生じた過払い金返還請求権の消滅時効は、特段の事情がない限り、上記取引が終了したときから進行する。
- (5) 最高裁平成21年9月4日判決
- いわゆる過払い金充当合意を含む基本契約に基づく金銭消費貸借の借主が利息制限法所定の制限を超える利息の支払いを継続したことにより過払い金が発生した場合でも、民法704条前段所定の利息は過払い金発生時から発生する。
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