質問11弁護士や司法書士に、過払い金返還請求を依頼する場合の費用や、依頼する場合のポイントを、教えて下さい。弁護士に依頼する場合と、司法書士に依頼する場合とで、どのような違いがありますか。

  • (1) 過払い金返還請求を弁護士や司法書士に依頼する場合、着手金・成功報酬といった費用がかかります。
    着手金とは、事件を依頼したときに支払う事務処理費用ですが、過払い金返還請求を依頼した場合には、請求する金額や請求する貸金業者の数により、違ってきます。
    東京三弁護士会の統一報酬基準では、自己破産・個人再生申立事件を受任した場合、過払い金返還請求につき、別途着手金を請求しないのが原則です。
    なお最近では、過払い金返還請求だけの受任で、着手金0円にしている弁護士や司法書士もいます。
    成功報酬とは、事件が終了したときに成功の程度に応じて支払う費用ですが、過払い金請求を依頼した場合の成功報酬は、過払い金回収額の20%から30%位としている弁護士や司法書士が多いですが、過払い金回収額の15%位にしている所もあるようです。
    ちなみにリーガル池袋法律事務所では、過払い金のあることが明らかな場合(質問2参照)
    着手金0円、成功報酬は、過払い金回収額の20%が原則です。
    なお、弁護士や司法書士に過払い金請求を依頼するときは、単に費用が安いとか、広告宣伝で名前をよく聞くということで、選ぶべきではありません。
    貸金業者と安易な和解をしないで多くの過払い金を回収してくれる弁護士・司法書士を選んでください。
    そのために、このマニュアルを利用されて、取引履歴を入手し、引き直し計算で過払い金回収可能額を把握するなどして、事件を依頼しようとする弁護士・司法書士に、あなたが希望する過払い金回収額を伝えてください。その上で、事件の見通しについて、わかりやすく納得できる説明をしてくれる弁護士・司法書士を選んで下さい。
  • (2) 過払い金返還請求訴訟について、弁護士と司法書士では、以下のような地位・権限の違いがあります。
    弁護士は、すべての裁判所(簡易裁判所・地方裁判所・高等裁判所・最高裁判所など)の訴訟代理人になれます。したがって、過払い金請求額が、何百万円、何千万円であろうと、弁護士に依頼できます。
    これに対し、司法書士は、認定司法書士である場合だけ、請求額(訴訟の目的物の価額)が140万円以下の訴訟・和解交渉の代理人になれるだけです。請求額140万円以下の訴訟とは、簡易裁判所の訴訟だけです。認定司法書士を地方裁判所の訴訟代理人にはできません。弁護士を訴訟代理人に選ばなければならないのです(弁護士代理の原則―民事訴訟法54条)。弁護士を選任しなければ、自分で書面を作成提出し、自分が裁判所に出頭することになります。
    したがって、過払い金請求訴訟において、過払い金請求額が140万円以上になることはよくあるのですから、司法書士よりは、過払い金訴訟を得意とする弁護士に依頼する方が、よいと思います。
  • (3) 債務整理において、弁護士と司法書士は、以下の地位・権限の違いがあります。
    弁護士は、任意整理はもちろん、自己破産申立や民事再生申立(個人再生申立と通常再生申立)の代理人になれます。
    これに対し、司法書士は、自己破産や民事再生の申立代理人にはなれません。破産免責申立書や個人再生開始申立書といった裁判所に提出する書類の作成と、そのための相談業務ができるだけです。したがって司法書士に自己破産などを依頼しても、裁判所提出書類を作成してもらうだけで、自分で裁判所に出頭しなければならないのです。
    また司法書士は、紛争の目的の価額が140万円を超える任意整理事件の受任はできません(司法書士法3条)。後記さいたま地裁判決の考え方によれば、過払い金請求額が50万円で、貸金業者が取引経過開示の時に請求していた金額が91万円の事案の場合、合計金141万円が紛争の目的の価額となり、司法書士には当該事案の代理権がないことになります。
    これに対し、弁護士には、そのような制限は一切なく、何億円であろうと債務整理事件を受任できます。
    このような権限の違いから、自己破産や個人再生を希望する方や、何百万円もの任意整理をする場合は、最初から弁護士に相談された方が良いと思います。 
    債務整理においては、任意整理・個人再生・自己破産などの事務処理に精通している弁護士に依頼するのがベターだと思います。
  • (4)さいたま地裁平成21年1月30日判決(兵庫県弁護士会HP)によれば、司法書士の代理権の範囲について、過払い金返還請求権の額と司法書士が締結した和解契約によって免除を得た借入債務の約定残債務額の合算額から判断されるとし、その合算額が140万円を超える本件では、和解契約をした司法書士に代理権はないとしています。

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