質問12過払い金がない(あるいは少ない)場合、多額の債務を整理する方法には、どのような方法がありますか。弁護士や司法書士に債務整理を依頼する場合、費用や依頼するときのポイントを教えて下さい。

債務整理の方法としては、通常、任意整理・民事再生(個人再生)・自己破産という3つの方法があります。

  • (1) 任意整理では、債権者に通知して債権届(貸金業者については取引履歴も含めて)をしてもらい、届け出た債権額が正しいかどうか調査します。利息制限法違反の約定利息で取引していた場合、引き直し計算をするなどします。そうして判明した債権について、3年から4年位の分割返済の提案・交渉をし、各債権者と和解をします。親族から資金援助があるとか、多額の過払い金があれば、元金の何割か一括返済してその余を免除するなどの和解もできます。
    なお、財団法人日本クレジットカウンセリング協会なら、弁護士などの専門カウンセラーが無料で、債務返済の相談を受け債権者との交渉をしてくれます。
  • (2) 民事再生申立には、個人再生申立と通常再生申立の2つがありますが、このうち、住宅ローンを除く無担保再生債権が5000万円以下の場合に、個人再生申立をすることができます。住宅ローン以外の無担保債務を裁判所の手続で、減額してもらい、これを原則3年の分割払い(特別の事情があれば最長5年迄の分割払い可能)の再生計画にしたがって支払えば、その他の無担保債務が免除されるという制度です。住宅を手放さずに借金を整理できるというメリットがありますが、住宅のない人でも利用できますので、自己破産を避けたい人は、個人再生を検討したほうがいいと思います。再生手続の最低弁済額は以下のとおりです。
    1. 再生債権総額が500万円以下  最低弁済額100万円
    2. 再生債権総額が500万円を超え1500万円以下は、その2割
    3. 再生債権総額が1500万円を超え3000万円以下は、300万円
    4. 再生債権総額が3000万円を超え5000万円以下は、その1割
    但し、個人再生には、小規模再生と給与所得者再生というものがあり、後者を選択しますと、可処分所得の2年分と上記金額を比較して、いずれか金額が大きい方が返済総額にされます(可処分所得要件)。また破産的清算価値も考慮され、その価額以下で、再生計画の返済総額を定められません(清算価値保障原則)。
  • (3) 自己破産は、債務者が裁判所に申し立て、20万円以上の価値ある一定資産があれば、これを換金処分・配当するなどして、多額の債務の免責を受ける制度です。一定の資産収入がない場合、同時廃止という簡便な手続きで破産免責が受けられます。
  • (4) 質問11で説明しましたが、自己破産申し立てや民事再生申し立て(個人再生申立を含む)は、弁護士でなければ、申立代理人になれません。
    自己破産申し立ての弁護士費用は、債務額や債権者数・換金対象の財産額などによって、異なりますが、通常の個人破産であれば、着手金が20万円から30万円位、免責を得た場合の成功報酬金が20万円から30万円位で、分割払い可能という弁護士も多いです。また収入が少なくて費用が払えない人には、法テラス(日本司法支援センター)の利用をお勧めします。
    個人再生申し立ての弁護士費用は、債務額や債権者数などで異なりますが、通常の個人再生申し立てであれば、着手金が20万円から30万円位、再生計画認可の成功報酬金が20万円から30万円位で、分割払いも可能である弁護士が多いです。
    司法書士は、これら申し立て書類の作成業務しかできませんが、作成業務だけで、10万円から30万円位の費用を請求されることがあります。
    任意整理の弁護士費用は、債務額や債権者数などで異なります。
    東京三弁護会の統一報酬基準では、着手金が、原則は1社21000円×債権者数、最低額が52500円です。
    成功報酬も基本報酬が着手金と同額で、加算報酬として減額した差額の10%と過払い金回収額の21%(訴訟だと25.2%)です。
    東京三弁護士会の報酬基準に準拠して報酬基準を定めている弁護士が多いと思いますが、減額報酬を請求しない弁護士もいます。
    司法書士も、任意整理の報酬基準は、弁護士とほぼ同じでしょう。
    債務整理については、司法書士より弁護士の方があらゆる手続きを視野に入れた事件処理が可能です。
    したがって、債務整理を得意とする弁護士に相談されることを、お勧めします。

リーガル池袋法律事務所の報酬基準(消費税込)

任意整理
着手金 基本 1社21000円×業者数
成功報酬金 基本 1社21000円×業者数
但し、減額報酬として届出債権額と和解金額との差額の5%から10%以下を加算請求することがあります。
自己破産
債務総額・債権者数・配当財産額により、異なります。
例えば、個人の自己破産申し立ての場合、
(着手金)
同時廃止事件 金10万5000円(税込)から
少額管財事件 金21万円(税込)から
(分割払い可能)
(成功報酬)
免責を得られたときに着手金と同額(分割払い可能)
個人再生
債務総額や債権者数により異なります。
例えば、住宅ローン以外の債務総額が1000万円未満の場合
(着手金)
金21万円から31万5000円(税込)
(分割払い可能)
(成功報酬)
再生計画の認可が得られたときに
金21万円から31万5000円(税込)
リスケ型住宅資金特別条項付の場合
金42万円(税込)
(分割払い可能)
過払い金報酬
着手金 0円
成功報酬金 過払い金回収額の20%から24%

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